中古マンションは新旧耐震基準よりも構造の確認を
マンションを含む家を購入する際に気になるのは、値段もそうですが、大地震の揺れにもきちんと耐えうるかどうか、という耐震性だと思います。日本には1950年に制定された旧耐震基準で建てられた建物と、1981年に改正された新耐震基準で建てられた建物の2種類があります。一般的に考えて、古いものよりも新しいものが優れている、と考えがちですが、耐震基準に関してはそうとも言い難いです。
たとえば、1995年に発生した阪神・淡路大震災や2016年の熊本地震では新耐震基準で建築された建物であっても、1階部分が潰れるなどの被害が多かったことが報告されています。
いくら新基準で建築された建物であっても、構造をきちんと見ないと被害が大きくなってしまう可能性があります。
もちろん、ピロティ構造がデメリットしかないわけではありません。1階部分を吹き抜けにすることにより、駐車場などにスペースを転用できるほか、2011年に発生した東日本大震災では、津波の被害を受けながらも、建物の流出を免れたケースがあることが報告されています。1階に外壁がないことで、津波の力を受ける面積が小さくなったからと考えられています。津波が想定される沿岸地域では、ピロティ構造を持つ建物が人気になるかもしれません。
ところで、リフォームのしやすさや新築に比べた購入費の安さから、中古マンションを購入する方が増えています。気に入った部屋を見つけても、1階がピから不安、と感じたら問い合わせをするのが一番です。また、物件が建っている土地によりますが、例えば東京都心に建っている中古マンションであれば、1度は2011年のあの地震を乗り越えた、という実績があるため、一概に「旧耐震だから」「ピロティ構造だから」と怖がる必要はないかもしれません。もちろん、過信は禁物です。
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